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オットーバウムバーガーPKZブランドに受けたカルチャーショック!
目次
今から100年以上も昔、オブジェクトポスター(グラフィックデザイン)は20世紀初めのヨーロッパで興った芸術と商工業が融合したポスターのデザイン様式であったそうです。
描写の対象となる商業品や工業品の写実的表現が中心に押し出され、他の要素は控えめなデザイン傾向である様相をオブジェクトポスターと言い始めていたようです。
オブジェクトとは物と言う意味ですがら、物販を目的とした広告ということでしょう。
1906年に行われたマッチのポスター・コンテストで優勝した、18歳のリュシアン・ベアンハルト(Lucien Bernhard)の作品こそがパイオニアであろうと言われています。
2本のマッチ&社名を暗色の背景に描き、極端なシンプルさが当時は斬新であったために、その後のポスター界に多大なる影響を与えることになって行きました。
ポスターデザインはドイツの地を発祥とし、その傾向は印刷や描画技術の高いスイスでより高く昇華することになりました。
今から約100年前の1923年、オットー・バウムバーガー[Otto Baumberger]によるPKZ社のツイード・コートのポスターは有名です。
100年以上も前に、オットー・バウムバーガー[Otto Baumberger]の作品のような手描きのグラフィックデザインがあったなんて驚きを隠せませんね。
私はグラフィック・デザインの歴史 (「知の再発見」双書)で始めてオットー・バウムバーガー[Otto Baumberger]の作品を知ったのですが、初めてこのポスターを見た瞬間は、まさに鳥肌モノでした。
感動した私は、100年前の偉大なアーティスト達のことを、どうしても多くの方に知って頂きたくこの記事を書くことにしたのです。
その当時、画家や彫刻家はそれぞれ自分が主体となるか、または裕福なブルジョアがスポンサーとなるかは置いておいても、少なくとも商売、つまり商業や工業品と提携する形でのデザインというのはまだ存在していなかったようですので、その時代にこうした現代の商業ポスターを制作していた人の感覚というのは、かなりの先見性があったのだろうと思いました。
しかしあることがきっかけとなり、多くのデザイナー達が、こうした形で芸術と商工業が手を組み、一つの作品を作り出すことになりました。
商売が成り立ち、起業家も芸術家も富と名声を得るシステムが出来上がっていったのでした。
今、私たちが当たり前のように電車の吊り広告や、駅の大きな商工業ポスターを見ても、何も感じなくなりつつある混沌の時代とは正反対に、100年前には多くの大衆が刺激を受け、消費を拡大するきっかけとなったグラフィックデザインの誕生があったと思うと、タイムスリップしてその時代の新鮮な驚きを体験したくなってしまうほど、私は1枚のポスターに大いなるカルチャーショックを受けてしまいました。
オットー・バウムバーガー(Otto Baumberger)の作品をgoogleで検索すると他にもこのようなデザインがヒットして来ました。
ロブスターやビールといった、物販したいものが明確で、そして何といっても食べたくなる!飲みたくなる!ような躍動感が感じられるのは私だけでしょうか?
とても不思議な新鮮さを感じます。
100年たった今でも十分通用するデザインでは無いかと思うのです。
あまりにも複雑化して、リアルを追求し写真を多様し、高額なギャラを支払った有名人、著名人を使うことが商業ポスターになってしまった現代から見て、この時代のポスターには人々のニーズにダイレクトに働きかける何かがあるように感じる次第です。
まとめ
私は何かで迷ったり、行き詰まった時に指針としている言葉があります。
それはイノベーションです。
新しい何かが誕生する時には、2つの方法論があると言います。
一つは異質なものの結合によって生まれてくる何かです。
例えば、100年前に芸術家と商業や工業が結びついて新しいマーケティングと広告という分野が開花したように。
それまでは別々の世界であって、決して永遠に交わらない水と油にような存在出会ったものが、あることをきっかけに共同作業をするようになり、新しいものが生まれてきたという歴史を見ても、異質なものの結合で新しいものが誕生することは真実であろう思うのです。
2つ目は、システム的廃棄によって新しいものが生まれてくるというものです。
自分自身の思考パターンや日常のルーティンワークを一度リセットしてみてはどうでしょうか?
各言う私も、今でこそ、こうして記事を書くと言うことが日常的なルーティンワークになっていますが、つい数ヶ月前までは全くそう言うタイプではありませんでした。
だらだらとテレビを見たり、映画を見たりして1日を終える、1週間を終える、1ヶ月、1年を平気で過ごしていくようなタイプであったんです。
それがある日、妻の何気ない一言がきっかけとなり、ネットでロゴデザインやグラフィックデザインと何時間も、何日も、何ヶ月も向き合うようになりました。
そしてしばらくして、また妻の一言で文章も書くような日常になっています。
もしこのようなクリエイティブな時間を1年、10年と過ごしていくとどんな自分に変わっていくのか?今から楽しみになっています。
皆様も、今の習慣を少し変えてみてはどうでしょう?
何か新しいことにチャレンジしてみる。
そしてそれを継続してみると、システム的廃棄が行われて、新しい自分と出会えるかも知れません。
皆様のご多幸を心から願っています。
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