時代を映すグラフィックデザイン

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グラフィック・デザインの歴史 (「知の再発見」双書)の著者 

 

柏木博氏によれば、『20世紀前半に活躍したドイツの哲学者ヴァルター・ベンヤミンは、パリをめぐる膨大なデーターベースともいうべき大著「パリサージュ論」の中で、商品世界についての興味深い指摘をしています。

 

商品の見栄えを良くし神聖化したのは19世紀の「万博博覧会」であり、それはまるで「物神の霊場」のようだと述べています。

 

また万国博が始まった頃に、それと同じような効果を生み出す「広告」という言葉が出現したのだと指摘しています。

 

今から100年前に広告という概念が生まれました。

 

こんにち私たちが当たり前にように言葉に出し、また耳にしている「広告」というボキャブラリーは19世紀という今から100年も前に造られた比較的新しい言葉であるというのは驚きでしかありません。

 

芸術がそれ単独で活躍の場を見出そうとしていたそれ以前の時代には、優れた芸術家にはスポンサーが付き経済的な豊かさを手にすることができた言いますが、圧倒的大多数の芸術家は富と無縁であり、むしろ絵で飯は食えないのは常識だったのではないでしょうか。

 

私も幼少期から絵を描くことが大好きで将来は絵描きになりたかったが・・・絵では飯は食えないと両親に諭されて断念しました。

 

かく言う私自身も幼少期より絵を描くことが好きで、小学校時代には金賞やら銀賞などの表彰状を数多くもらったものです。

 

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幼心に将来は絵描きになりたいなどと口に出してみたが、両親から絵描きはお金にならないと諭され、絵もお金も好きだった少年は絵描きの道をあっさり捨てたことをよく覚えています。

そのくらいお金も好きな少年だったという落ちですけど・・・

 

今にして思えば、それは両親の知恵が少しばかり足りなかっただけで、芸術と商業、工業を結びつけ融合させた「広告」という世界は100年も前にすでに存在していたのでありました。

幼少期にこういうことを知っていたら、また違った人生になっていたかも知れませんね。

 

そして、グラフィック・デザインの歴史 (「知の再発見」双書)の前書きではこう続いています。

 

万博も広告も「複製技術時代」が始まった時代に起源を持っていると言います。

 

複製技術時代のメッセージであるということは、とりもなおさず、それは「大衆」という近代を特徴付ける人々の存在と深く関わっているようです。

 

近代のグラフィックデザインは、19世紀に生まれた広告、そして商品世界と不可分な表現として広がりました。

 

単に文字を書き込んだ張紙ではなく、人々の目を惹く視覚的効果を考慮した表現を印刷によ

って実現したポスターの出現にそれを見ることができます。

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