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つい最近、ランサーズで指名の仕事が入りました。

 

クライアントは銀座で新規開業する「整形外科医」でした。

 

突然のオファーが入り、私は大好きな美容分野の仕事であったと同時に、クライアントの丁寧な文章や、コンタクト方法がとても気に入りました。

 

当然ですが、快く引き受けることにしました。

 

私は30年以上も美容師をしていたキャリアから、美容整形も美容室でのヘアデザインもリスクやステータスは違っても、ある意味似ている分野の職業ではないかと考えていました。

 

決定的な違いは、髪はいくら失敗しても大抵の場合2年もすればほとんど「無かったことになってしまいます」

しかし美容整形の場合は、そうはいかないでしょう。

 

下手すると一生ものですよね?

 

そんなことを考えたりしてしながら依頼内容について考えを巡らせていました。

 

また似ているところは、見た目が「より良く変化」することが最大の価値であるのではないかとも考えたりしていました。

 

見た目をより良く変化させることや、ほとんどが女性相手であることなど共通点についても考えたりしていました。

 

こうした考えは普段から考えているのでなく、クライアントの職業、そして新規開業、美容整形外科医であることなどを「ファーストインスピレーション」とも言うべき、第一印象みたいな一瞬の閃きのうちに考えつくことであると思います。

 

大事なことは、相手の立場になり切ること、それは想像の域を脱しはしないが、それでもイマジネーションの力を駆使して、四六時中相手の考えていることや、ライフスタイルや価値観について想像してみることだと思います。

 

そして美容師時代に私が最も重要だと考えていた、「仕事の質」とはカットやパーマ、カラーなどの技術的な優劣ではなく「カウンセリング」という最初のプロセスにあるということだ。

 

ここで間違うと、最初のボタンをかけ違ったように、全て違ってくるのではないでしょうか?

 

相手の気持ちがわからない場合は、たまたま気に入られて当選したり、依頼が来ることもありますけど、長くは続かないでしょう。

 

私はそう思います。

 

ヘアデザイン

 

そしてこの考えは、ロゴデザインでも同じく重要なプロセスであると考えていました。

 

なので今回のセカンドコンタクトは何かというと。

 

「クライアント様の得意なこと」

「最も強みとすることろは何なのか?」

というメール内容でクライアントに質問して見ました。

 

ヒアリングというプロセスは最初に重要ですが、聞いたことや見たことに対して、製作者側が何を感じ、どう思ったのか?その思いは相手の訴求していることに合っているのか?

このように依頼内容についての資料を見たり、あるいは聞いたりした後に、質問してみることが大事です。

 

果たしてクライアントは数多く存在するであろう、同業他社とどこで差別化を図り、どういう分野で優位に立つのか?

その強みこそ美容整形医院の「売り」であろうし、その強みこそ「ロゴデザインとなるべきもの」ではないかと考えていました。

 

そして数十回以上ものメールや画像でのやり取りが行われていくのでした。

 

クライアントはお医者様なだけあって頭の回転が良く、答えがストレートだったので、ロゴとなるデザインの最初のインスピレーションは「小顔」でした。

 

私のような中年男性でも、20代の女性でも、おそらく人間であればほとんどの方々は顔が大きく変化するより、小さく変化することの方が嬉しいのではないでしょうか?

 

少なくとも私は顔が小さくなりた〜い!

 

そして若い女性にとってはこの価値観は想像以上のものであろうと想定できます。

 

今回のクライアント様は美容整形外科医として執刀するにあたり、輪郭や骨格を小さくする技術に長けていると言うのです。

 

私は納得しました。

 

そしてこのような最初の提案をしたのでした。

The-Beauty-Clinic-logo01

 

上図は、イラストレーターで作業途中の私のデスクトップキャプチャ画面です。

 

デザインの趣意は「ビフォーアフター」「小顔専門美容整形外科」「小顔のスペシャリスト」と言ったものでした。

 

クライアントはこのデザインの方向性を気に入ったようでした。

 

途中で、全く違うデザインで第二案、第三案と試行錯誤して提案して見ましたが、最終的に最初に提示したこの方向で決まって行きました。

 

次はディテールやワードに関してです。

 

ここでは円に打ち込んだフォントの種類がいつくかあり、この全てをクライアントに見せて吟味した結果、ロゴに入っているフォントで決定されました。

 

Adobe Creative Cloudではフォント数が実に15000種類以上あります。

 

フォントを選ぶだけでも一苦労ですが、不思議とある程度の好みというか、守備範囲が決まってきますので、苦労はしません。

 

ginza-face-clinic02

 

図は初期段階でエンブレムにレースのような装飾をしたり、ワードも試行錯誤の段階でした。

 

手段を問わず何度でも無制限でコミュニケーションを図ることで意思の疎通が生まれてくる。

 

私が製作した初期のデザインに対して、クライアント様自身が印刷してコメントを書き込みながらコミュニケーションを繰り返していきました。

 

こちらはイラストレーターやフォトショップを使っていますが、クライアントは手書きの場合が多いです。

ワードやエクセルといったWindows環境の方も多いので、その場合は、ワードやエクセルに画像を取り込んでもらい修正点を指摘してもらったりします。

 

ちなみに名前も、「THE BEAUTY CLINIC」から「GINZA FACE CLINIC」に変更されていくことになります。

 

GINZA-FACE-CLINIC最終的なデザイン

GINZA-FACE-CLINIC最終的に納品したデザイン

 

 

そういう文字を変えることも想定内に入れて、フォントをアウトライン化する作業は、最終段階にした方が無難です。

 

最終段階であってもフォントのテキストとアウトライン化したデーターは別名保存で管理した方が良いと思います。

 

そういう変化に対して追加の料金は一切頂かないことにしました。

 

ロゴデザインもヘアデザインもオーダーからクライアントが気にいるまでが一つのメニュー、一つの料金であると考えているからです。

 

そうすることでクライアントも、遠慮せずに言いたいことを言えるし、変化に対して恐れる必要がなくなります。

 

これは時間ばかり浪費して生産性が低いと思うかも知れませんが、中途半端な形で納品して後々クレームが来たり、レビューや評価が下がってしまったどうでしょうか?

かえって損することになると思いませんか?

 

そこが「オーダーメイドでロゴを制作する」最大のメリットではないだろうかと思うわけです。

 

出来上がったロゴが3万円程度で、オーダーする場合は5万円を設定しているにはそういうメリットがあるからですし、どうしても予算がないという場合には相談に乗ってできる限り双方が満足のいく妥協点を見出すよう努力することも大切ではないでしょうか?

 

冒頭にも話しましたが、やはり最大の強みは「カウンセリング」のプロセスと言えるでしょう。

 

要は、何度も々デザイナーとクライアントが協議し、考えに考え抜いて、修正に修正を重ねて出来上がったロゴデザインと、パッと見た目で衝動的に買ったロゴデザインの差が、料金の差であると考えて頂ければ幸いです。

 

これは善悪の考えでは決して無く、好みや価値観の違なのかも知れませんね。

 

メールや画像を何度もやり取りしながら意思決定を徐々にしていくことでリスクを軽減できるし、気に入ったロゴデザインに出会える可能性が高くなることを意味しているのではないかと思う次第であります。

ロゴの実用化に向けて提案したモックアップ画像

ロゴの実用化に向けて提案したモックアップ画像

続きは次の記事をご覧ください・・・

 

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